
高級魚として大人気ですが、名前の響きだけを聞くと「喉が黒いのかな?」と不思議に思う方も多いかもしれません。
実は、この名前に隠された秘密を知ると、のどぐろのことがもっと好きになって、お食事がグッと楽しくなるんですよ。
この記事では、のどぐろの呼び名のルーツや、本来の正式名称に隠された意味を、わかりやすく丁寧にお伝えしていきますね。
読み終える頃には、誰かに話したくなるような楽しい知識が身について、次にお魚を食べる日が待ち遠しくなるはずです。
私たちと一緒に、美味しいお魚の秘密を紐解いていきましょう!
のどぐろは通称で「喉の奥が真っ黒」なのが名前の由来です

漢字で書くと「喉黒」となるのですが、その名の通り、口を開けたときに喉の奥が真っ黒に見えることが名前の由来なんです。
なんだかそのままストレートなネーミングで、少し親近感が湧いてきますよね。
そして、のどぐろの本当の名前(標準和名)は「アカムツ(赤鯥)」といいます。
名前は「黒」なのに、実際の姿はルビーのように色鮮やかな「赤色」のお魚だなんて、そのギャップに驚かれた方もいるかもしれませんね。
このイメージの違いも、のどぐろというお魚の魅力のひとつだと言えそうです。
「のどぐろ」と呼ばれるようになった2つの背景

それには、お魚の特徴や人々の暮らしに関わる、納得の理由があるんですね。
ここでは、大きく2つの背景に分けて解説していきますので、一緒に見ていきましょう。
喉の奥から内臓まで本当に真っ黒な薄皮がある
一つ目は、やはりその圧倒的な見た目のインパクトです。外見はとっても美しい赤色をしているのに、パカッと口を開けると、喉の奥に黒い薄皮があって真っ黒に見えるんですね。
初めて釣り上げた漁師さんや、お魚をさばいたお魚屋さんは、きっとすごくビックリされたのではないでしょうか。
しかも、この黒い部分は喉だけにとどまりません。
実はお腹の内臓のほうまで、ずっと黒い薄皮が続いているんだそうです。
なんだか少しミステリアスな感じがして、とっても気になりますよね。
もちろん、この黒い薄皮をペロッと綺麗に剥がすと、私たちがよく知っている脂の乗った美しい「真っ白な身」が現れます。
外は赤、中は黒、そして身は白という、とても色彩豊かなお魚なんですね。
正式名称「アカムツ」の特徴と名前の成り立ち
もう一つは、正式名称である「アカムツ」という名前の意味に関係しています。アカムツという名前にも、お魚の特徴がしっかりと刻まれているんですよ。
- 「アカ」は、その美しい鮮やかな赤い体色のこと
- 「ムツ」は、脂っこい・味が濃いことを意味する方言「むつこい(むつっこい)」が由来とされています
これだけでも十分に美味しそうな名前で、食欲がそそられますよね。
ただ、お魚を日々扱う市場の人たちや地元の方々にとっては、「赤くて脂が乗っている」ことよりも、「口の中が真っ黒!」という見た目の特徴のほうが、わかりやすくて印象に残ったのかもしれません。
そうやって、自然と「のどぐろ」という愛称で呼ばれるようになったのだと考えると、なんだか温かい気持ちになりますね。
ちなみに、少し面白い雑学として、「ムツ(鯥)」という漢字の成り立ちがあります。
実はこの「鯥」という漢字、もともとは中国の伝説上の怪物を表す字だったと言われているんですね。
それがいつの間にか日本で魚のムツを表すのに使われるようになったそうで、語源には諸説あるみたいです。
お魚の漢字って、深く調べてみると本当に不思議で面白いですよね。
名前にまつわる3つの面白いエピソード

ここからは、のどぐろという名前にまつわる、さらに面白いエピソードを3つご紹介しますね。
知っていると、お食事の席でのちょっとした話題作りにもぴったりですよ。
元々は日本海側だけで使われていたローカルな呼び名
今でこそ日本全国、どこに行っても「のどぐろ」という名前が通じますよね。でも実は、昔から全国でそう呼ばれていたわけではないんです。
もともとは、特定の地域で親しまれていたローカルな呼び名だったと言われています。
具体的には、以下のような地域を中心に「のどぐろ」と呼ばれてきました。
- 新潟県や富山県
- 石川県(金沢)や福井県
- 兵庫県(香住)や鳥取県(境港)
- 島根県(浜田)や山口県(下関)、長崎県(対馬)など
逆に関東などの他の地域では、標準和名である「アカムツ」と呼ばれるのが普通だったそうです。
さらに面白いことに、地方によっては全く違う名前で呼ばれることもあります。
たとえば、金魚に似た可愛らしい外見から「キンギョウオ」と呼んだり、目が大きいことから「メキン」と呼ぶ地域もあるんですって。
地方によってこれほど呼び名が変わるなんて、お魚の文化って本当に奥深くて魅力的ですよね。
スポーツ選手のあの一言で一気に全国区の高級ブランドへ
日本海側のローカルな呼び名だった「のどぐろ」が、どうして現在のように全国で圧倒的な知名度を持つようになったのでしょうか。その背景には、2014年のある大ブームが関係していると言われています。
きっかけは、島根県出身のプロテニス選手、錦織圭さんの発言でした。
大活躍したあとのインタビューで、帰国したら何が食べたいかと聞かれた際に「のどぐろが食べたい」と笑顔で答えられたんですね。
この一言がメディアで連日大きく取り上げられ、「のどぐろってどんな魚?」「食べてみたい!」と日本中の注目を集めました。
このブームを機に、「アカムツ」という正式名称よりも「のどぐろ」という呼び名が一気に全国へ広まりました。
現在では、魚市場や高級な飲食店、テレビのグルメ番組などでも、消費者に浸透している「のどぐろ」の呼称が圧倒的に多く使われています。
一人のスポーツ選手の無邪気な一言から、全国区の高級ブランド魚の名前として定着したなんて、まるでドラマのようなストーリーですよね。
美味しさを表す「白身のトロ」「赤い宝石」などの愛称
のどぐろには、「アカムツ」や「のどぐろ」の他にも、その魅力を表す素敵な愛称がいくつかあります。どれも、このお魚がどれだけ美味しくて特別なのかを伝えてくれる言葉なんですよ。
代表的なのが「白身のトロ」という呼び名です。
のどぐろは白身魚でありながら、一年を通してマグロのトロのようにたっぷりと上質な脂が乗っています。
口に入れた瞬間にとろけるような甘みと旨味が広がることから、敬意を込めてこう呼ばれているんですね。
また、その鮮やかな赤い体色と、高級魚としての希少価値から「赤い宝石」と称されることもあります。
「のどぐろ」「アカムツ」「白身のトロ」「赤い宝石」…。
ひとつの魚がこれほどまでに多くの美しい名前で呼ばれるのは、それだけ多くの人から愛され、特別な存在として扱われている証拠かもしれませんね。
最近では、「浜田のどぐろ」や「対馬のどぐろ」など、地域名とセットでブランド化されることも増え、ますます価値が高まっています。
のどぐろの名前の由来と正式名称についてのおさらい

のどぐろの名前の由来や秘密について、たくさんの新しい発見があったのではないでしょうか。
最後に、今日ご紹介した大切なポイントを優しく整理しておきますね。
- のどぐろは俗称で、正式な名前(標準和名)は「アカムツ」です。
- 口を開けると喉の奥にある黒い薄皮が真っ黒に見えるため、「のどぐろ(喉黒)」と呼ばれるようになりました。
- 「アカムツ」は、赤い体色と「脂っこい(むつこい)」という方言に由来するとされています。
- 元々は日本海側のローカルな呼び名でしたが、スポーツ選手の言葉をきっかけに全国区になりました。
- たっぷりの脂のりと美しい姿から「白身のトロ」「赤い宝石」とも呼ばれています。
名前は「黒」、見た目は「赤」、そして身は真っ白で美味しい。
この素敵なギャップこそが、のどぐろというお魚が持つ最大の魅力なのかもしれませんね。
今度の週末は少し贅沢にのどぐろを味わってみませんか?

知識を得たあとに食べるお魚は、いつもよりずっと味わい深く、特別に感じられるはずです。
もしお寿司屋さんや海鮮料理のお店に行く機会があれば、ぜひご自身へのご褒美として「のどぐろ」を注文してみてくださいね。
炙りのお寿司や、香ばしい塩焼き、旨味が溶け出した煮付けなど、どんな調理法でも最高の美味しさであなたを癒やしてくれます。
そして一緒にテーブルを囲むご家族や大切なご友人に、「実はね、口の中が真っ黒だから、のどぐろって言うんだよ」と、今日知ったお話をそっと教えてあげてください。
きっと「へえ、知らなかった!」と驚いてくれて、会話がもっともっと弾むはずです。
あなたの食卓が、美味しいのどぐろと一緒に、たくさんの笑顔で満たされる素敵な時間になりますように。
ぜひ、心ゆくまで赤い宝石の味わいを楽しんできてくださいね!